Oxford 文系修士ってどんな感じ?

(PHOTO:私のいたカレッジ、レディーマーガレットホール(略称LMH)。今の時期は中庭の綺麗なお花たちが卒業生を祝福しています。)


こんにちは。

これから7月末まで、大学院での経験を生活面から勉強面まで忘れないように記しておきたいと思います。

今回は私の修士課程のざっくりとした内容について。

専門的な話をしてもあまり面白くないと思うので、どんなスケジュールだったか、成績評価などについてお話しします。もちろん学部やコースによってカリキュラムは異なると思うので、ざっくり参考にして頂ければ幸いです。

前にも多分お話ししましたが、英国の修士課程は基本的に1年で終わるものが多い中で、私が所属しているのは2年間のものでした。私の学問分野(国際関係学)では理論やアプローチにおいてとにかく幅が広く、カリキュラムは大まかに、

1年目... 基礎知識。様々な理論についての授業(セミナー形式)+定性的・定量的研究のアプローチ方法について授業(レクチャー形式/セミナー形式両方)+指導教官との1対1の指導(課題エッセイを見てもらったり、研究内容について話したり、試験勉強対策したり)

2年目...応用。基本的に研究がメイン+2つのより細かい専門的なコースを受講(選択式/セミナー形式)+時々研究の進捗について発表

といった感じでした。

成績評価は試験と修士論文研究のみで、出席や授業内でのエッセイ・プレゼンは一切加味されません

試験は年度末にあり、1年目は1つ(国際関係学全般について、1年間の授業全て試験範囲)2年目は2つ(2つの専門分野に関する試験)でした。

これらの試験は通常、3時間に及ぶ筆記試験で、3時間で3本のエッセイを書きます。

エッセイは10題ある質問から3つ選んで回答します。1題につき大体1000wordsくらい書くのが目安です。

試験会場はexam schoolという建物で、普段の環境とは異なるところで正装(サブ・ファスクと呼ばれるもの、ほぼスーツに変なガウンを着る)して受験します。

普段の授業は1つのセミナー授業につき2時間くらいで、授業数自体は全然多くないです。

ただ、セミナーの授業には膨大な準備が必要で、毎回の授業にその授業のテーマに沿ったリーディングリストがあって、それをひたすら読んで、エッセイ書いたりして準備します。

リーディングリストは毎回10~20文献(article, book両方)で、1回の授業が終わったらすぐに次週の分のリーディングを始めないと間に合わない感じです。

1年間の修士だと、実質6ヶ月間の学期(2ヶ月/1ターム×3) で授業が終わってしまい、修士論文も(長さはかなり減りますが)短い期間で書かなければならないので大変です。だからと言って私が所属していた2年間の修士課程に余裕があったわけでもなく、2年間(実質20ヶ月弱)ひたすら読んで書いてを繰り返していたら終わっていました。忙しさはコースによって異なりますし、私自身がオンオフの切り替えが下手な方の人間なので、オックスフォードの修士課程といっても学生生活は人それぞれ、結構エンジョイしているな、という学生も沢山います。


いちいちオックスフォードの~と書くといかにも世界のエリート、と聞こえてしまうかもしれませんが(少なくとも私はそうでした)実際あってみると普通の現代っ子で、遊びも勉強も頑張り屋さんの人が多いです。日本のいわゆるガリ勉のイメージである、勉強してばっかりでモヤシみたいな学生、は学部生でもあまりおらず、皆週末はパブでお酒を飲んだり、お出かけしたり、アクティブな人が多いです。1年中町中の大学の図書館は学生でいっぱいですが、試験が終わるとスパークリングを浴びせたりしながらお祭り騒ぎする学生も多いです。


この大学では大学院・大学(=どの課程に所属しているか)に関係なく部活動に参加できるので、私は大学時代から体育会で続けていたスポーツを大学院でも続けることができ、(そのせいで遊ぶ時間は無くなりましたが)素敵な仲間に出会えて本当に楽しかったです。勉強で自信を失った時も、大好きなスポーツが繋ぎ止めてくれました。


大学の機能としては「伝統」が優先されて効率が悪いことも、やたらヨーロッパ外の学生の授業料が高くて嫌になることもありますが、オックスフォードは訪れるに値する、面白い場所です。天皇陛下や世界各国の政治リーダーなど"お偉い方々"も多々卒業していますが、そうではなく普通の英国学生や海外学生も沢山在籍していて、その人たちの活気で大学と、オックスフォードという街の文化が形成されています。だからこそ、そんなにお高く留まった場所ではなく、皆さんがイメージするよりきっともっと取っ付きやすいです。


話がズレましたが、修士課程のカリキュラム構成や大学の雰囲気について、少し参考になれば幸いです。

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C’est la vie!

大学まで留学経験の無かった私(大学1年秋のTOEIC570)が4年次にIELTS7.5を取得し、Oxford大学院に進学します。うまくいく保障はないけど、何事もやってみなきゃわからないもの。 私が上手くいった方法が、必ずしも皆さんのベストな考え方や勉強方法に当てはまるわけではありません。 それでも、少しでも参考になりますよう、私のこれまでや、これからについて、書きます!